グルタミンが胃潰瘍に効果的!?
「Journal of Nutrition」5月号によると、胃潰瘍治療の際、抗生物質への代替手段の候補としてアミノ酸グルタミンを挙げている。
およそ20年前、ピロリ菌感染が胃潰瘍の原因となることが発見された。ピロリ菌は、世界人口の半数以上に感染しており、世界的なガンのおよそ5.5%はピロリ菌感染に起因している。世界中では、毎年90万件以上の胃ガンの新規症例がある。現在、抗生物質がピロリ菌を除去する第一次療法として使用されているが、ピロリ菌は抗生物質に対してますます耐性を示すようになってきている。
ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(BIDMC)の科学者とマサチューセッツ工科大学が先導する研究は、アミノ酸グルタミンが、ピロリ菌感染によって引き起こされる胃の損傷を抑えると示している。この研究は栄養学誌「Journal of Nutrition」5月号で報告されている。
グルタミンは、牛肉、鶏肉、魚、卵、乳製品、一部の果物や野菜に含まれる特定の食物の中に自然に存在する非必須アミノ酸である。L-グルタミン(グルタミンの活性異性体)は、筋肉量を増やすためにボディビルダーなどが栄養補助食品として広く使用している。
「この調査結果は、食事によって得られた追加のグルタミンがピロリ菌感染した胃を守ることを示している」と論文著者スーザン・ハーゲン博士(BIDMCの指導者であり、ハーバード大学医学部の准教授)は語る。胃のダメージは、ピロリ菌が胃の保護粘液のコーティングを弱め、細胞に損傷を与え強い免疫反応を引き出すことで起こる。ピロリ菌が強酸性下の胃の中で生育できるのは、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで酸を中和することにより、自分の身の周りの酸を和らげて生きているからである。「我々の研究は、胃細胞へのアンモニアの有害な影響が、L-グルタミンによって完全に覆すことを証明した」とハーゲン博士は説明する。アミノ酸は、胃や肝臓でアンモニア解毒を促進した。その結果、アンモニアの濃度は減少し、細胞のダメージを防いだ。
20週間のマウス研究では、ピロリ菌に感染したマウスの中で、L-グルタミンを与えたマウスは、標準食を与えたマウスよりも胃の炎症と胃組織の損傷が、かなり低いことを発見した。
ピロリ菌感染による胃ガンの進行や病理の多くが炎症にリンクされるので、この結果は、グルタミンサプリメントが感染の重症度を減少させるための代替療法であるという予備的証拠を提供している。この調査結果の関連性を確かなものにするために、人間を対象とした研究が次のステップとして必要とされている。
原文リンクはこちら
EurekAlert Friday, May 15 2009http://www.eurekalert.org/index.php「Journal of Nutrition」May 2009
さて、次回はグルタミンの作用とその効果的な摂取方法についてお話しします。
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